三峰山ロープウェイ:埼玉県
頂上にある三峰山頂駅舎には

残されたもう一台の仲間「くもとり」君がいる。

東京都最高峰の雲取山(標高2017m)に名をもらったのだろう。

彼は抜群に見晴らしのよいこの場所から

二度と動くことはないワイヤーの先をじっと見つめていた。

二代目のロープウェイも1964年から使用年数が40年を超え

2006年(平成18年)施設の老朽化を理由に運転が休止される。

再開へ向けて協議が行われたが、赤字解消が見込めずすぐに廃止が決定。

最後の作業は2008年5月の時計の電池交換だ。天候はくもり。

三峰山ロープウェイは、この後ほどなくして解体された。

今はコンクリートの基礎部分を残すのみであるという。

いつの日か、ここにロープウェイがあったことすら

人々の記憶から消えてしまうのかもしれない。
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