国民宿舎:福島県
国民宿舎の廃業のきっかけは冬季の水道管の破裂らしい。

館内が水浸しになったため、2007年冬から長期の休業を余儀なくされる。

そこに追い打ちをかけたのが2008年10月に発生した火災。

つまり、出火したのは休業中の出来事だったということになる。

火の気は全くなかったことから放火が強く疑われるという。

保険金目当てという噂もあるが、現在まで真相は不明だ。

一室ずつ分離されていたはずの客室もこのありさま。

なんと全ての部屋がつながってしまっている。

ぼーっとしていると、ここが和室だとすら気がつかない。

そう、この廃墟の魅力は、要素の融合ぶりにあるだろう。

ひとたび燃えてしまえば、有機物はほとんどが黒い炭に

無機物である金属は赤茶けた金属酸化物へと変化する。

それらが渾然一体となって生み出される色気がここにはある。
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-東北